7)思いがけない主治医の話、

桃花林でお料理が運ばれてくる間、手持無沙汰なので、慣れている先生に話し

かけました。 「四天王が置かれていますね」

「え?、」と問い返す先生。 

「部屋の4隅に怖い顔の武将の像がありますでしょ、東西南北の四方に配置され

て~、四人の仏神様です。」

「・・・」

「ホテルの脇に集古館がありましたけど、色々な仏像があるようですね、

仏様にはそれぞれお役目があって、亡くなった方や、この世に生きる人を助けて

下さるんですって、」

普段、馬鹿なことを言のい合いながら、子供のようにふざけ合っているいる麻雀

仲間の奥さんである私から仏像の話が出てくるとは思っても居なかったらしく先

生は暫らく四天王を見ておられましたが、

「奥さん、よく知ってますねと笑顔を浮かべられました。

「ちょっと本を読んだだけです、港区はお寺さんが多いでしょう、出かけた

ついでにお地蔵さまや観音様を見るのが好きです」

と言うと、先生は暫らく何かを考えた顔をして、

「奥さん、病院で患者さんが亡くなる時にお迎えが来るのですよ」

と言われたのです。 今度は私が吃驚しました

東大の医学部を出て、総合病院の外科部長さんです。今の時代そのような話は信

じない方だと思って居ました。

「患者さんが亡くなる前に天井や入り口を指差しして、お迎えが来たって言われ

るのが何回かありました」

「・・・」

「奥さん、不思議な事はあるんですね」

体格が良くて豪快な先生の口から出る言葉とは思えないことを聞いて、

(こんな立派な先生が言われるのだから、亡くなる人をお迎えに来る話は本当なの

かもしれない) と思いました。

桃花林で美味しい四川料理をいただいて、帰る前誘われて集古館に寄り、色々な

仏像を拝見させて頂きました。

社会的に大きな事業を立ち上げた大倉喜八郎氏は、仏像にも造詣が深い、大きな

方だったのだと思いました。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です